硯のお手入れに関して

硯を使った後はすぐに洗いましょう。これが一番大事です。

たとえ丁寧に扱っていても毎日使用して年月が経過すると、いくら洗っても墨堂の方々に墨のカスがたまり、目づまりをおこします。

そうすると、発墨もわるくなり、本来のその硯の機能が果たせなくなってしまいます。

そんなときは、硯をいったん水中に三時間ほどひたしてから、墨堂をスポンジで強くこすってみてください。

たいがい回復させることができます。たわし類はおすすめしません。

洗った硯は陰干しで乾かしてから箱に直しましょう。濡れたままに直すとカビが生える原因になります。一度カビが発生するとなかなかとれませんが、木炭やスポンジで繰り返し洗ってください。

磨れにくくなった硯の扱い

あまり力を入れすぎて磨墨したり、もともと鋒鋩の弱い硯石であると、鋒鋩の山そのものが磨滅してきます。

こういった場合は、たんに水で洗ったりしただけでは鋒鋩を回復させることはできません。

そんなときは泥砥石を用いて目立てをする必要があります。

泥砥石で鋒鋩を立てる場合には、はじめ墨堂に水をたらし、それから泥砥石を固形墨を磨る要領で磨っていきます。

そのとき、水はやや多めにたらし、できれば泥砥石をあらかじめ水中に五分ほどひたしておくとよいでしょう。

いきなり鋒鋩を立てようとして、つよく磨りあわせると、粗く立ちすぎたり、墨堂にキズつきすぎたりしてよくありません。

むしろ、弱めにゆっくり磨りあわせ、一度のところを五度ばかり繰り返すと、しつかりした目立てができます。

磨りあわせる範囲は、ほぼ墨堂の中心だけでよく、あまり周囲にひろげるときりがなくなります。

また、一度磨りあわせるごとに水をそそがないと、泥砥石 の粉末でドロドロになり、うまく磨れなくなります。

目立てがすんだら、泥砥石の粉末をそのまま利用して、スポンジでつよく墨堂をこすっておくと、あとで墨堂の色もおちつきます。

ただし良い硯はなるべく専門家に依頼することをおすすめいたします。