古墨

昔から墨は古くなるほど良くなると言われてきました。
これは原料の膠の経年変化と炭素末の自然凝集によるものです。

墨色に透明度が増し、立体感(芯とにじみの分離)がでます。

人は空気、墨は湿気(水分)を吸って生きています。
墨の成長変化の著しいのは、製造後6〜7年までの少年期で墨の個性、特徴が現れ確立する時期です。

8〜15年頃(青年期)には次第に墨色が落ち着き、生彩、冴え、立体感がでて、磨墨液ののび、墨のおり具合も良くなってきます。

16年以降の壮年期は墨の一番働き盛りで墨色、のびとも一層良くなります。

さらに老年期に入り銘墨が生まれてくるといわれています。
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